田舎に行こう
「良い友達ね」
みんなと別れて走り出した車の中で
母親が言った。

泣きまくってた奈津は
うんうんとうなずいて返事をした。


涙も乾いて・・・・
県外にも出て・・・・
車はドンドン進んで行き・・・

そろそろ着いても良さそうなのにと
奈津が考えていると、

「今でちょうど半分ぐらい来たわよ」
と母親に言われて・・・
奈津は嫌な予感がしてきた。
今の車窓を見ただけでも
充分すぎるほどの田舎道だったにも
関わらず・・・ここで半分来たってことは・・・
まさかね・・
また、拓けたところに出るんだろうと
その時はまだ、深く考えていなかった。
そのまま、代わり映えしない景色を
見るのにも飽きたので
寝ることにした奈津。


「・・・つぅ、奈津・・」
体をゆすられて、着いたんだと気付いた奈津。

車外に出てみて・・・

「なんじゃこりゃ~~~~~~~」
奈津は叫んだ。

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