田舎に行こう
「さてと、奈津も元気出てきたし
 帰るべ」
幸太郎はそう言いながら、
立ち上がった。

「うん、ありがとうね」
奈津は笑顔でそう言った。
帰りながら自転車の後ろに乗りながら
奈津は考えていた。

もしかしたら、母親の好きな人も
都会の大学に行きながらも
結局、この土地へと帰ってきたのは
隆史や幸太郎のような
この土地を誇りに思っていたから
かもしれない・・・と。

幸太郎とのさぼりデートは
奈津の心の中の変化をまねいた。



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