田舎に行こう

初恋

母親の後について家へと向かう。
家は平屋で、少し古い感じはしたが
見た目はその古さもまた、かわいいと
思えるような造りだった。
白を基調としたどこか、外国の家の
ようで、一部はレンガが使われていたり、
ステンドグラスのようなすりガラスの窓。

奈津はひと目で、気に入ってしまった。
「かわいい」
弾むような声で、つぶやくと
母親はニヤニヤしながら、自信満々で
「でしょ~、奈津も気に入ると思ったんだ」
と、うれしそうに話した。

家の中はそれほど広くはないが、
2人暮らしには充分な広さだった。

先に到着していた引越し業者は
奈津と母親の到着で
作業をスタートした。

さすがプロという感じに
サッサと作業を終えて
夕方近くには帰って行った。

部屋の片付けは今日はほどほどにして
道中で買っておいたお惣菜やら
お寿司なんかで晩御飯にすることにした。

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