夢で会いたい
対談はヤツのファンだというリランちゃんの希望で行われたらしい。
間違いなく新聞社が用意した方便だろうな。
リランちゃんのファンに刺されないといいね。
『私も中学校に通うときは田んぼの中を通っていたので、この『一握の米』に出てくる景色はどれもとても懐かしいものでした。東京での生活に疲れたときは、米田さんの本に癒されています』
『そう言っていただけると、とても嬉しいです(笑)』
うーん。この写真の角度では鼻の下が伸びているかどうかまで確認できないな。
印刷も白黒だし。
『私が見てきた景色以上に情景が美しくて、自分の生まれ育ったところがこんなに素敵な場所だったのかって改めて誇りに思えます』
『ありがとうございます。実際の景色もとてもきれいなのですが、主人公の心の反映でもあるので、より幻想的に映るようにいつも心がけています』
━━━━━米田さんは稲作の兼業農家でもいらして、天川さんも稲作には興味があるんですよね?
『今はやめてしまったのですが、私の祖父がやっぱりお米を作ってました。実家を離れてお米の大切さを知り、改めて稲作に興味が出てきたので、実際に体験してみたいなって思っています。今度お手伝いに行ってもいいですか?』
『ぜひぜひ!天川さんがいらしてくれるなら、いつでも大歓迎です!(笑)』
あいつ・・・普段本のこと聞かれても「はあ」とか「まあ」とかしか言わないくせに!
ええ、もちろん新聞記者の方が上手にまとめてくれたのだとはわかっていますけどね!
『天川さんのように、僕の本を読んで何かを感じ取っていただける方の存在が僕自身の生きる力になっています。ありがとうございました』
ふーん。
『生きる力』ね。
ふーーーーーーん。