悲 恋

🔸🔸未菜



花菜は、優しい母親思いの子に
育ってくれた。

きえ先生が、いうには
「未菜に似て
綺麗な顔をしている
と、言っていた。」
私は、自分をそんな風に思った事は
なかった。

花菜が小学生にあがって
少しした時
温大先生が島にやって来て
「未菜、帰って来ないか?
俺が潤天道赤十字病院の院長に
なるんだ。
だから、内科をお前に任せたい。」
と、言ってきた。

私は、きえ先生や島の人達と
まだ、一緒にいたかったから

「少し、考えさせて下さい。」
と、伝えた。

未菜は、悩んで
花菜にも話してみた。

花菜は、
「きーちゃんも一緒?」
とか、言っていたが
「花菜は、ママと一緒なら
どこでもいいよ。」
と、言ってくれた。

きえ先生から、
「成澤先生に恩を返す時が
きたんじゃないか?
わしは、いつでもここにおる。
いつでも、来たら良い。」
と、言ってくれた。

私は、決意して
温大先生に連絡した。

先生は、
「住まいは、こちらで用意をする」
と、言ってくれた。

変わりの先生が来ることが
決まった
私は、花菜を連れて
本土へ戻った。


私・・・

奥山 未菜  35才
   花菜  9才
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