この気持ちはいつ気づく?


次の日の朝。

「結愛!ラジオ体操の時間になるよ!行こ!」

「いまいくー!まってーいくちゃーん!」

親友の小和瀬 郁実(こわせ いくみ)。

いくちゃんとは中学からの友達で、しっかり者。付き合って1年経つ彼氏もいる。

「なんとか間に合ったー。ほんと結愛はのんびりってゆうか、マイペースってゆうか、あたしがいないとだめなんだからー。」

はぁとため息をつきながらもいつも面倒見てくれる優しいいくちゃん。
私のお母さん的存在だ。

「ごめんいくちゃん。朝早いの苦手で…」

私が笑いながら謝ると、いくちゃんもまったくって笑った。
いつもこんな感じだ。

「結愛ちゃん?だっけ?」

突然後ろから名前を呼ばれた。

「え?」

私が後ろを向くと、いかにもクラスのムードメーカーみたいなイケメンが友達と一緒にいた。

私と目が合うと、そのイケメンは隣にいた友達に早く!と言われこちらへ近づいてきた。

いくちゃんが隣でニヤニヤしている。
いくちゃんはいつも私をからかってくる。今回もその目だ。

「あ、あの。俺、修二っていいます!
ちょっと2人で話したいんだけど、いいかな?」

いくちゃんに行ってきな!と背中を押され、私は修二君と二人きりになれるところへ行った。

「あのさ。」

修二君が口を開く。
またかな。

「結愛ちゃんって、いま付き合ってる人いる?」

「いないけど…」

「そっか、よかった。」

修二君はホットしたように少し微笑んだ。

「もし、よかったらさ。」

「…うん。」

「俺と仲良くなってくんない?」

またこれか。
…って、え??
いま仲良くなってって?付き合ってじゃなくて。

私が何も言えないでいると、

「いや、あの、無理にとは言わない!ただもっと結愛ちゃんのことしりたくて。仲良くなりたいって思って。」

予想外の言葉だった。私、このまま上手くいけば好きになれるんじゃない?

「ぜ、ぜひ!仲良くしてください!」
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