この気持ちはいつ気づく?
初めての傷
「結愛〜昨日どうだったのよー!」
朝からうるさいいくちゃん。昨日の出来事がかなり気になるみたいだ。
「プリとった。」
「へー!いいじゃーん!見してよー!」
「えー。やだよー。」
「そんなこと言わないでーほらー!」
私はいくちゃんの迫力に押され、渋々プリクラを見せた。
「え!?ちょ、これなに!?どういうこと!?」
「え?なに?」
「抱きつかれてんじゃん!ちょっと!いい感じなんじゃない!?」
「いやー。まぁ成り行きと言うか。ね。」
「ちょいちょい。成り行きでぎゅーしないでしょー普通ー!
向こうはすきなんじゃないのー??」
「ないでしょー。」
確かに少し期待はしてる。
あのあと家に帰ってからLINEきて、楽しかったって言ってくれたし、LINEの会話も弾んでいい感じだし。このまま付き合ってもおかしくないとは思ってるし、正直修二君なら付き合える。てゆうか…付き合いたい…
「なになにどーしたのー?」
いくちゃんがうるさいせいで、クラスメイトの紗枝ちゃんが近づいてきた。
「きいてよー!結愛がさー!」
「ちょっといくちゃんー!」
「まぁいいじゃん?みてよこのプリ!」
「え?これって7組の修二って子じゃん?え、なに付き合ってんの?」
「いや、そういう訳じゃ…」
「でもさー、修二くんって結構女たらしらしいじゃん?」
え??でも修二君は…
「なんかうちの友達も一緒に帰ったって。」
うそ。どういうこと?
「紗枝、それほんと?」
「うちの友達が7組にいるんだけどさ、いつも違う女の子と一緒にいるらしいよ。
まぁ、かっこいいもんねー。ありゃもてるよ。」
そ、そっか、やっぱそうだよね。
女慣れしてないわけないよね。はは。わかってたよ。
でもさ、なんだろうこの感情。
今までにない。なんか心臓がいたい。
どうしたんだろう。
「結愛?へーき?」
「…いくちゃん。やばいかも。」
「…結愛。」
いくちゃんはそっと何も言わず私を抱き寄せてくれた。
ほんと、お母さんみたいで安心する。
そっか、私、修二君のこと好きになってたんだ。