この気持ちはいつ気づく?
初めての傷


「結愛〜昨日どうだったのよー!」

朝からうるさいいくちゃん。昨日の出来事がかなり気になるみたいだ。

「プリとった。」

「へー!いいじゃーん!見してよー!」

「えー。やだよー。」

「そんなこと言わないでーほらー!」

私はいくちゃんの迫力に押され、渋々プリクラを見せた。

「え!?ちょ、これなに!?どういうこと!?」

「え?なに?」

「抱きつかれてんじゃん!ちょっと!いい感じなんじゃない!?」

「いやー。まぁ成り行きと言うか。ね。」

「ちょいちょい。成り行きでぎゅーしないでしょー普通ー!
向こうはすきなんじゃないのー??」

「ないでしょー。」

確かに少し期待はしてる。
あのあと家に帰ってからLINEきて、楽しかったって言ってくれたし、LINEの会話も弾んでいい感じだし。このまま付き合ってもおかしくないとは思ってるし、正直修二君なら付き合える。てゆうか…付き合いたい…

「なになにどーしたのー?」

いくちゃんがうるさいせいで、クラスメイトの紗枝ちゃんが近づいてきた。

「きいてよー!結愛がさー!」

「ちょっといくちゃんー!」

「まぁいいじゃん?みてよこのプリ!」

「え?これって7組の修二って子じゃん?え、なに付き合ってんの?」

「いや、そういう訳じゃ…」

「でもさー、修二くんって結構女たらしらしいじゃん?」

え??でも修二君は…

「なんかうちの友達も一緒に帰ったって。」

うそ。どういうこと?

「紗枝、それほんと?」

「うちの友達が7組にいるんだけどさ、いつも違う女の子と一緒にいるらしいよ。
まぁ、かっこいいもんねー。ありゃもてるよ。」

そ、そっか、やっぱそうだよね。
女慣れしてないわけないよね。はは。わかってたよ。
でもさ、なんだろうこの感情。
今までにない。なんか心臓がいたい。
どうしたんだろう。

「結愛?へーき?」

「…いくちゃん。やばいかも。」

「…結愛。」

いくちゃんはそっと何も言わず私を抱き寄せてくれた。
ほんと、お母さんみたいで安心する。
そっか、私、修二君のこと好きになってたんだ。
< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop