弱虫なボク~先生と生徒の距離~
体育教師の腕が大きく振り上げられ、そのまま真っ直ぐ僕の顔をめがけて飛んできた。



---バシッ---


「先生、ダメです!」


他の男教師が、一生懸命、体育教師の腕や体を掴んで止めた。


僕は、目を瞑る事なく、ただ、歯を食いしばって覚悟をしていた。


寿美子先生に、僕の気持ちがバレてしまうぐらいなら、


熱血体育教師に一発殴られて終わらせてしまいたかった。


「暴力はいけません!ましてや、先生が生徒に手をあげたら絶対ダメです!」


寿美子先生の言葉に、冷静さを取り戻したのか体育教師は、力を緩め、


しがみつくようにしている教師達にすみませんと言葉をかけた。
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