弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「母さん…我慢って、父さんの事?」


母さんが泣いている原因は、父さんに違いない、そして、右頬が変色している原因も。


僕の言葉に母さんは、小さく頷き、泣き声の中からポツリと小さく呟いた。


「お父さんと、亮の事を話してたの…そしたら、退学させるって…」


やっぱり、父さんは本気で僕を退学させる気なんだ。


「父さん…校長先生にも、そう言ってたよ…」


テーブルに置いてあるマグカップに手を伸ばして掴むと、中のコーヒーは冷めてしまっていた。


「あ、ゴメンね…新しいの淹れ直すわね」


そう僕に言う母さんに、『いいよ』と制止、冷めてしまったコーヒーを飲んだ。


喉に流れていく冷めたコーヒー…よけいに冷たく感じたのは、気のせいだろうか。
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