弱虫なボク~先生と生徒の距離~
「笑い過ぎです…先生。それより、高田香奈はどうしたんですか?一緒に来たんじゃ…?」



少し、笑い過ぎの先生に向かって、ムスっとふてくされたように質問してみると、


先生は、ゴメンと一言謝った後



「高田さん?…一緒に来たんだけど、何か用事ができたとかで、帰っちゃったのよ。」


少し不思議そうな面もちで、話す先生は続けて



「高田さんね。井手君の事、心配してたんだよ。井手君の事を悪く言うクラスメートにも、ちゃんと説明して誤解を解いてたみたい。」



急に、真剣な眼差しで僕を見つめる先生の目にドキっと心臓が揺れた。



「なんで?高田香奈は…そこまでする必要があるんですか?」


いつも、いつも、そうだ。クラスメートと同じように、僕の存在なんて無視すればいいのに…。


僕の心の中で、どうしようもない、もどかしさが込み上げてくる。
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