弱虫なボク~先生と生徒の距離~
一瞬、先生は僕の事を『可哀想な子』と言わんばかりの瞳で…



「井手君、なぜだか分からない?高田さんは…ね、って先生は、これ以上は言わない。言えないわ。」



先生は、気になる所で会話を止めて、再びオレンジジュースを口の中へ。



「高田さんは…何ですか!気になるじゃないですか!」



思わず、激しい口調になってしまい、先生は一瞬、驚きの表情を見せた。



「私の口から言うのは、ルール違反なんだよね。気になるなら、自分で聞くべし!」


そう言って、先生は勉強机の上に置いてあった白い携帯を僕に差し出した。



気になるけど、何を聞けばいいのかすら分からない僕。


少し、目が泳ぎつつある僕は、差し出された携帯をとりあえず受け取った。
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