弱虫なボク~先生と生徒の距離~
それが、もう片方の交差する想い。


さっき、2人で居た時に感じた想い。


それを伝えると、僕は高田香奈の横をゆっくり通り過ぎ、公園を出ようと歩き出した。


一歩、また、一歩。

少しずつ、高田香奈から離れていく。


このまま、何も言わずに終わると思っていたら、背中の方から


「弱虫!それが言えない理由?井手君の弱虫!」


弱虫?


ヨワムシ?


よわむし?


僕の耳に、入ってきた『弱虫』の4文字の言葉が、僕の足にストップをかけた。


ああ、そうさ。僕は、あの日から逃げてばかりの弱虫さ…。


分かってる、そんな事、言われなくても分かってる。


さらに、高田香奈は言葉を続けた。


「ホントに、先生の事が好きなの?その気持ち嘘なんでしょ?」


叫ぶように大きな声で、高田香奈がそう言った瞬間、


僕は、高田香奈の方に振り返って


「好きだよ!僕は、先生の事が好きだ!」


反論するように、高田香奈に負けないぐらいの大きな声で叫んだ。
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