君とあたしのわずかな距離を、秒速十メートルで駆け抜ける
卑屈すぎだって自分でもわかってる。
でも、声はするりと口をついて出てしまう。
「どうせ可愛くないよ」
「……え?」
ポツリ。
それだけ言うと、わたしは歯を食いしばり、さびしさに蓋をするみたいにぎゅっと目をつむって帰り道とは反対方向に走り出した。
こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
だってこんなの、心配してくださいって言っているみたいなものだ。
自分の気持ちも伝えないで、察して欲しいだけの女になんてなりたくなかったのに。
……いやだ。
こんな自分が、いやだ。