クールな御曹司の甘いお仕置き
「それよりも気になることがあるんだけど」

ニコニコ顔で高橋君が前置きする。

「え?何?」

キョトンとした目で高橋君を見上げる。

「その首の歯形は何?」

高橋君の質問に、一瞬石化する私。

高橋君……目敏い。

「……そ、それはね。飼い犬に噛まれちゃって」

首筋を押さえながら私は咄嗟に取り繕う。

私がこんなに動揺しているのに、優君は悔しいくらい澄まし顔。

「大丈夫?他は噛まれてない?」

気遣わしげな声で言う高橋君に、全て話してしまいたい衝動に駆られた。

でも、優君の前では話せない。

本当はね、優君に噛まれて……おまけにキスまでされたんだよ。
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