クールな御曹司の甘いお仕置き
美緒が作り笑いをして断るが、大学生の一人が彼女の手を掴んだ。

「嘘でしょう?ずっと一人だ……‼」

俺は美緒たちに近づくと、大学生の手を彼女からはがし、鋭い眼光で睨んだ。

「俺の連れに何か?」

言葉は紳士的でも、心の中では“汚い手で美緒に触れるな”って罵っていた。

「あっ、……いえ、道を聞いてただけで……」

大学生は俺を見て怯むと、後退りしながら去っていく。

「優君、電話終わったの?」

自分がナンパされたというのに当の本人は平然としていて、呆れた俺は溜め息と共に返事をした。

「ああ」

俺の電話のことより、少しは自分のことを気にしろよ。

やっぱり美緒は一瞬でも目を離してはいけないんだとつくづく思う。
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