クールな御曹司の甘いお仕置き

「大丈夫だよ。明日の接待の話だから」

「うん、ありがとう、高橋君」

仕事の話だって頭ではわかっていても、心の中は不安で一杯で……。

ここでじっとなんかしてられない。

優君見つけなきゃ。

椅子から立ち上がると、私は笑顔を張り付けて高橋君に手を振った。

「今日はもう帰るね。また明日」

「うん、結城さん、また明日」

高橋君が言葉を返すと同時に私はバッグを持ってエレベーターまで一気に走る。

エレベーターの前まで来ると、息急き切りながらボタンを押した。

一階からゆっくりと上がってくるエレベーターの表示を焦れったいと思いながら眺める。