クールな御曹司の甘いお仕置き
佐々木さんはにこやかに微笑むと、オフィスを後にした。

「……ごめんなさい、佐々木さん。気は変わらないです」

ポツリと呟きデスクの上を片付けていると、出先から高橋君が戻ってきた。

「あっ、高橋君、お帰りなさい。あれっ、優君は?」

二人とも今日は経産省で打合せだったはず……。

「優は一階で社長秘書の朝井さんに捕まっちゃってね。でも、すぐに戻ると思うよ」

ああ……朝井さんか。

二人でいると思うと何だか胸の中がモヤモヤする。

「朝井さんのこと気になる?」

高橋君はすぐに席には戻らず、私の前で立ち止まった。

彼は私が小さい頃から優君を好きなのを知っている。

「……少し」

躊躇いながらも正直に言うと、高橋君は私を安心させるように目を細めて笑った。
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