不器用な二人はあまのじゃくの関係
新しいクラスになりました。
「とりあえずクラスに行くみてーだな」

「うん、遥太、私見えないから見てよ」

「さすがちびっちゃいなぁ」

「うるさい。はやく!」

「あーはいはい。えーっと……」


ドキドキ


遥太と一緒がいいな。神様仏様お父様お願いします!!!

「お!杏奈!お前1組だ!俺2組!」

「えぇーーーーーーっっ!!!」

「な、なんだよ!声でけーなぁ」

「い、いやなんでもない。1組ってなんかかっこいいなぁーって思ってさー」

「なんかわけわかんねーな」

そう言って笑う遥太。

もう、最悪。なんで一緒じゃないのよぉ。

「杏奈杏奈!優梨とクラス一緒だぞ!よかったなぁ〜!」

「え!ほんと!?よかったぁ」

よかったうれしい優梨がいなかったら不登校になってたよぉ。

佐伯 優梨は私の小学校からの親友。ずっと一緒で唯一私が遥太のことを好きなことを知っている人だ。

「杏奈がいなかったら俺の課題どーすんだよ」

「あんたねぇ、私はあんたのなんなのよ!」

「ん?俺の?うーん、大事な幼なじみだ!」

そう言ってニッと歯を出して笑う遥太。不覚にもきゅんとしてしまった。でも…

“大事な幼なじみだ!”

ですよね。

「大事なパシリの間違いなんじゃない?」

「そーかも」

そう言って遥太は笑いまくってる。これが私たちのいい関係なのかもしれないな。

「杏奈ー!おはよ!!あ、遥太もいたのね」

「おはよー優梨!同じクラスだって!やったね」

「え!ほんとに!うれしい!」

「おい、優梨。なんで俺はついでみたいな言い方なんだよ。ぶっとばすぞ?」

「あーはいはい。ごめんなさいね〜」

ふふふと笑って遥太の言葉をながした優梨は私に耳打ちしてきた。

『遥太のクラスは?どーだったの?』

「うぅ。ゆうりぃー」

「な!どしたの!?」

「うぅ、ひっく…だって……だって」

「あっちで話聞くから泣かないのー!遥太、この子と先行ってるね?」

「お、おう。大丈夫なのか?」

「だいたい理由はわかってるから。大丈夫!」

「わかってるってさすがだな〜」

「じゃあまたあとで!」

「おう!」

「はーい、杏奈ちゃーん行きますよー」

「うぅぅ……うぇ…ひっく……」

「こりゃだめだ」
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