不器用な二人はあまのじゃくの関係
不器用なふたりのその後の関係です。

「おーきーろー!!!」

「うっせー……眠れねーだろ」

「眠らなくていいのよ!!!私まで遅刻するじゃんか!」

「遅刻か…それいいな」

「ひゃあっ」



ベッドに寝転がっている遥太にグイッと腕を引っ張られあっという間に足を絡められ遥太の腕の中に。
前より寝起き悪くなってない?
それよりもこの状況に心臓が破裂しそうになる。

「やめてよぉ」

「ん、じゃあ、やめる」

パッと私を解放した遥太。
いじわるなやつめ。
私が嫌がってないのを知ってるくせに。

「別にやめなくてもいい。」

「知ってる。」

ほらね?
そう言った遥太はまた私に足を絡めて抱きしめる。
はぁ、幸せだ。





コンコンコンコンコンコンコンコンッガチャッ




「遥太!起きなさい!」

「「うわぁぁあぁぁあっ!!!」」

「イチャイチャするのもいいけど学校に遅刻するのは許しません!」

「「ごめんなさい…」」


高速で部屋のドアを叩いて美智子さんが入ってくる。
ごめんなさい……



浮かれまくってます。
だってようやく付き合えたんだから。
でも、学校にはちゃんと行きます。今日から新学期ですものね。
ごめんなさい。





美智子さんに「はい、起きた起きた!」と急かされて遥太の家を出る。



「もっと寝起き良くならないの?」

「杏奈がもっと厳しく起こしてくれたらなるかもな」

「朝練のときはどうやって起きてるのよ」

「それは起きれる。」

「はぁ!?」

じゃあ、普段もちゃんと起きてよ…

「杏奈のことからかうの楽しいからな」

「んな!アンタわざと…!」

「え?知らなかったの?」

「バカ遥太ーーー!!!」




「ニヒヒ」と笑ってバカにしながら走っていく遥太。
こんなバカにされていても大好きなのは変わらない。
こりゃ重症だ。



大好きな遥太。
大切な遥太。
きっとこれからも私のこと大好きでいてね?








「杏奈ー!!!」

ずいぶんと離れたところから遥太が叫んでいる。
走るの速すぎでしょ。


「大好きだー!!!」


「もう。」


あぁ、だめだこりゃ。


「私も大好きー!!!」


バカップルの仲間入りだ。

















こうして川井杏奈と大宮遥太は

しあわせーにしあわせーに暮らしましたとさ。



めでたしめでたし♡













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