不器用な二人はあまのじゃくの関係
キーンコーンカーンコーン

班とバスの座席を決め終わり、ひと段落ついたところでチャイムがなった。

優梨のとこに行こう。

なぜか私はそう思った。

そう思って立ち上がろうとしたら陽太くんが私の背中をたたいて私に話しかけた。

「杏奈、遠足さ、途中でふたりで抜け出さない?」

「へ?」

「だから途中でふたりでばっくれるの」

「い、いや、やめといたほうが…」

「いいじゃーん。ノリわりぃなぁ」

なんか、怖いよぉ。

私がおびえてると優梨がやってきた。

「抜け出すとか許さないからね?」

「優梨ちゃーん、真面目だねぇ〜」

「班組んだんだからみんなで移動しなきゃ迷惑なの!」

「わかったわかった。そんな怖い顔しないの〜!かわいい顔が台無しだよぉ〜?」

そう言って優梨の頬に手を当てようとした陽太くん。

バチンッ

「いってぇなぁ!」

「気安く触んないで。杏奈、行こ」

「へ!?どこへ?」

「職員室!班変わってもらうの!茉莉愛ちゃんとか凜ちゃんとかなら変わってくれるでしょ」

「う、うん」

「ちょ!優梨ちゃん、今さら変えるのはみんなに迷惑かかるんじゃない?」

「あんたと同じ班ってだけで私的には迷惑なの。」

そう言って優梨は陽太くんをにらみつけた。

「杏奈早く行こ!早くしないと変えられなくなっちゃうかもよ!」

「う、うん!」
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