不器用な二人はあまのじゃくの関係


コンコンコンガラガラッ


「失礼します!1年1組の佐伯優梨です!先生に用があって来ました!」

そう大声で優梨が言ってズカズカ職員室に入っていく。

「先生!斎藤が遠足で班から抜け出すとか言い出して迷惑なので変えてください!」

「い、今から変えるのは……」

「先生!茉莉愛ちゃんには許可を取ってます!」

「そ、それなら、変えようか」

こんなあっさり……

優梨すごい…たぶん先生に迫っている顔もすごい怖いんだろうけど……

「じゃあこの男子たちとの組み合わせになるけどいいかな?」

「もう!全然そっちのほうがいいです!うれしいです!ありがとうございまっす!!!」

「優梨、声おっきいよ…」

「いいの!」

さすがだなぁ。


「失礼しました!」

私たちは職員室から出た。

大成功でした。

「ふぅ。これでいいだろう」

「茉莉愛ちゃんに許可取ったっていつ?」

「え?取ってないよ?(笑)」

「えぇ!?」

「今から行くけど、まぁ…大丈夫でしょ」

「ははは」


私たちは階段をのぼって教室をめざす。

「あ!」

目の前から茉莉愛ちゃんと凜ちゃんが歩いてきた。

「茉莉愛ちゃん!凜ちゃん!」

「ん?なぁに〜?」

「どしたの〜?」

ふたりが言った。

「班、変わってもらえない?斎藤に誘われて同じ班にしたんだけど合わなくて。茉莉愛ちゃんと凜ちゃんなら仲良さそうだから変わってほしいの」

「えー、せっかく梶原くんと同じになれたのにぃ〜」

「それなぁ〜。陽太たちとはいつでも組めるからなぁ〜」

「いきなり言ってごめんね?」

私はとっさにあやまる。

「まぁいいよ!梶原くんノリ悪いしぃ〜つまんないから〜」

「わかる〜はははっ」

「ありがとう!あとで先生に言っておくね!」

「おっけ〜」

優梨さすが……

すぐ話を片付けてくれる
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