真愛
聖藍の姫。



瀧達と出会ったのは私が高1で16の時だった。

この風貌のせいで周りから浮いていた。

女は妬みからか裏で陰口や嘘の情報を流されていた。

そんな私に手を差し伸べてくれたのは、聖藍の幹部だった瑠依(るい)だった。

ふわふわのハニーブラウンの髪に幼い顔立ち。

私よりも少し背が低い可愛い男の子。

私がケーキを食べていたら、じーっとこっちを見つめていた。

「……食べる?」

そういうとパァっと顔が明るくなり、うんっ!なんて可愛い顔でいうもんだから全部あげてしまった。

そこから仲良くなって、初めて聖藍の溜まり場へ足を運んだ時はとっても緊張した。

「そいつ誰ー?」

不思議そうに私を見つめる金髪の男子。

いつもおちゃらけた、お調子者の蓮(れん)。

「ずいぶん綺麗な子ですね」

ニコッと笑う黒髪のメガネ男子。

いつも冷静で優しい悠月(ゆづき)。

「拾ってきちゃった!」

「猫みたいにいうんじゃねーよ」

呆れた顔の茶髪の男。

よく周りを見てて、私を気遣ってくれてたお兄ちゃんみたいな存在の颯(そう)。

「……興味ねぇな」

冷たく言い放つ銀髪の男。

私を愛してくれて、いつもそばにいてくれた瀧。

颯の兄で、何かあるとすぐ助ける弟思いの優しい人。

私の……愛した人。

みんなとの時間がすごく大切で。

毎日が輝いていて。

かけがえのない宝物になってて。

失いたくない、って思ってた。

でも……幸せっていうものはいつか壊れるもので。


その日は、突然やってきた。





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