真愛



部屋を見つけるなり、鍵をかけてイヤホンをつけて横になる。

今日はもう何も見たくない。

疲れたなーとか思いながら天井を眺める。

んー、本当は今頃、明日も学校だな〜ってウキウキしてたはずなのに。

――――ほんの数ヶ月前までは。

私は3ヶ月前までここら辺一帯を牛耳っている暴走族“聖藍(せいらん)”の姫だった。

聖藍の総長である伊吹 瀧(いぶき りゅう)の彼女でみんなから慕われていた。

嫌われ者の私を学校で浮いていた私を受け入れてくれた。

私の……唯一の居場所だった。







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