真愛



「ひゃーーー!!やっとついた!新しいお店…ずっと行きたかったのーーっ!!」

足をジタバタさせて喜ぶ。

「楽と行けばいいじゃない。シスコンだから雪乃がいえばどこにでもついていくんじゃない?」

「そこなの!!ずっとベラベラいらないこと喋ってくるから集中出来ないの!!」

ブツブツと文句をいう。

ほんと、仲がいいなぁ。

「って、聞いてる?」

「うん、聞いてる聞いてる」

「あんなシスコンの話なんか置いといてショッピング楽しも!」

「ふふ、そうね?」

店内に入ると、笑顔で店員さんが挨拶してくれる。

なんかいい感じのお店。

雰囲気も置いてる洋服も。

どれがいいんだろう。

うーん、黒?でも雰囲気変えてビビットカラー?

……私に明るい色なんて似合ったっけ?

色物ってあんま着ないからなー。

黒と白以外着ないし。

「みてみて、これ良くない!?」

「いいね、こっちも雪乃に似合いそう」

「え、じゃあこれ買っちゃう〜♪」

そういって私が選んだ洋服を大事そうに抱える。

相当気に入ったみたい。

選んだ甲斐があったかも。

なんだか、こっちまで嬉しくなっちゃう。

その後もいくつか店を回って、ご飯の買い出しをして帰った。

何がいいのかわからなくて何も買わなかったけど。

服なら時間ある時に尊と行こう。

自分じゃ何がいいかわからないし、雪乃はふわふわした服しか買わないし。

あんな女の子っぽい服似合わない似合わない。

朝ごはんは何にしようかな〜とか考えながら晩ご飯を作る。

もうすでに主婦に染まった自分。

前なら絶対考えられなかった。

自炊なんてすることなかったし。

いつもコンビニ弁当とか外食とか。

家でテーブル囲んで手料理、なんて1度もない。

冷えきった家庭だったし。




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