真愛



だから尚更、こうやって尊とご飯を食べることが好き。

明日は何を作ろうかとか考える時間も案外気に入ってる。

楽しいし、わくわくする。

どれを食べれば笑顔になれるかとか想像するだけで頑張れる。

丁度ご飯を作り終えた頃、ドアの開く音がした。

「たっだいまーー!!」

テンションの高い聞き慣れた声が響く。

これは楽の声かな?

玄関に行くと、案の定上機嫌な楽と不機嫌な尊がいた。

「おかえりなさい。今日は一緒だったの?」

「無性に奈々ちゃんの手料理が食べたくなっちゃって!」

「そんなに上手くないよ?とりあえず、上がって?丁度ご飯出来たとこなの」

「わーーいっ!」

おっじゃまー♪と子供みたいにはしゃぐ楽。

ゲッソリとした顔で尊も靴を脱いで入ってくる。

「おかえりなさい」

「……ただいま」

私を抱き締めてはーっと息をつく。

相当疲れてたのかな?

「ご飯出来てるから冷めない内に食べよ?」

「だな。今日は?」

「パスタ。和風パスタ」

リビングに行くと、もうすでに椅子に座って食べる準備をしてる楽がいた。

行動が早すぎる。

とりあえず3人分のパスタをよそってテーブルへ運ぶ。

「和風パスタだ!俺の大好物〜!」

無邪気に笑ってパスタを頬張る。

美味しそうに食べる2人を見るだけでもう満足。

作ってよかった。

「やっぱ奈々ちゃんの手料理最高ーーっ!!」

「当たり前だろ」

それだけいって黙々とパスタを食べ、おかわりまでする尊。

相当気に入ったみたい。

良かった良かった。




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