真愛
「……何しにきたんだよ」
そういって冷たい目を向ける颯。
他のみんなも同じような目をしている。
“どうして”
その言葉が頭を支配した。
この1週間の間にこんなにも人は変わるのか。
そう思った。
「裏切り者が何の用だって言ってんだよ!!」
蓮の怒鳴り声に体がビクッと震えた。
こんなに怒りをあらわにした姿、初めてだったから。
「裏切り者って…私裏切ってなんかないよ!!」
「じゃあ、これは何なんですか?」
そういって私の足元に無造作に投げた“それ”。
kudanの言っていた証拠。
それは……私の犯されている写真だった。
あの日のことがフラッシュバックしてふらつきそうになる。
それをぐっとこらえてなんとか立ち続ける。
「そこに映ってるの、kudanの総長だよな。なに?最初から騙してたわけ?」
冷たく言い放つ颯。
私はとっさに反論した。
「違う!!騙してなんかない!!これは無理やりっ……!!」
「苦しい言い訳なんかやめてくれませんか?何より、この写真が物語ってるじゃないですか」
……何で?
何で私を信じてくれないの?
私なんかじゃなくて、kudanを信じるの?
「何とか言ったらどうです?」
「図星だから何も言えねぇんだろ!!きったねぇ女」
私は何も言えず、ただうつむいた。
「……信用してた俺らが馬鹿だったな。kudanの内通者だったとは」
「貴方、汚いですよとても」
「汚れた奴の言う事を誰が信じるってんだよ!」
胸がぐっと締め付けられるのを感じた。
喉に何かがかかったみたいに息ができない。