『1人の女の子』
女の子の患ったそれは奇病としか言いようがない。
非科学的なことは言いたくないが、病というより呪いに近しい。
それ以外ではまったく異常の無い健康体なのが不気味だ。
現在の女の子の『寂しい』を作り出しているのは物心ついた、またはつく前の乳幼児時の記憶が元となっている。
わずかに、おぼろげに覚えている両親の記憶と温もり。
決して両親がいないわけではない、天涯孤独の身の上ではない。
女の子が今生きて日々を過ごしていられるのは、会えないけれどちゃんと両親がいるからだ。
信じている。
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