『1人の女の子』
ここに書かれていくつぶやきはある女の子のものである。
その女の子は生後間もなく、ある病に冒された。
非常に珍しい症例で、他に類を見ないその病に名は付けられない。
病を患った女の子は、それによってひとつだけルールを課せられた。
『寂しくしないと死んでしまう』
比喩表現では決してない。
それ以外は普通の女の子で、日常生活に一切の支障は出ていない。
『寂しくしないと死んでしまう』
これだけを守っていけば、この女の子は生きていけるのだ。

なおその女の子及びその周囲へのプライバシーを考慮し、その名前は非公開にする。
女の子自身も性別を偽名そのものに、「おんな」とさせてもらうことをお許し願いたい。
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