失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
振り回されて
お昼休み

まだ始業式から数日。
まだ決らないグループで連なる女子達と一緒になってお昼を食べる。

とりあえず、
話題になりませんよーに!!



「そーいや、湊太くん、彼女出来たんだってね!!」

1人の女子が話だす。

「ねー。春休みだってねー。いいよねー」
「あはは。彼女になれるとか思ってたのー?」

そう言って複数の子が笑いだす。



……そうだよね。

そりゃそう思うよ。

私だってそう思ってた。

湊太くんに釣り合うように……

湊太くんに気に入られるように……。

でもきっと、そんなのしても……って



……はぁ。




「陽汰君は、付き合うのかなー。」

……。


「好きな子いんのかねー。」

「いいよねー陽汰君もカッコイイし、優しいし!!彼女になりたーい(笑)!!」

そう言って、学校の王子様の話で盛り上がる。




お願い。

本気のお願い。

バレませんように……。


そんな私に、

「さっき青葉さん、陽汰君に頭撫でられてなかったー?」

という言葉。

ひぃ!!

恐るべき女子の観察力!!



「あ、えっと…あの……」

小声で今までのキャラで喋れば、



「いいよねー!羨ましい!!」
「私もされたーい(笑)!!」

あっけなく私から遠のく会話。


そりゃ、そだ。

私と、和泉が何かなんて、誰も思わないだろう。

そりゃーそだよね。

あいてはいちお、
王子様。


王子……

王子……

王子、様なら、

少しは庶民の気持ちも考えろっての!!!


イラつきながら、そして多少怯えながらも
そのままお弁当を早め切り上げ、自分の席に戻る。


結局お昼は、そのまま
ほとんど会話にも混ざらす、相槌だけ。


キャラ作ってる時より、
全然疲れたっての!!
< 125 / 199 >

この作品をシェア

pagetop