失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
責任とってやるよ
「本気で、失恋してたら、どーなの?」

笑ってた顔が、
真面目に返される。



……。

……。

言葉が続かない。



私は、
あれをほんの数十分しか見ていない。

でも、

こいつは、それをずっと……。


考えただけで、
胃が圧迫される。



抑えるように、胃を掴み、

そのまま和泉の前に行く。



こいつなんか、大嫌い。


腸が煮えくりかえる程、
イラついてる。



なのに……。

なのに……。



真顔になっている和泉の顔が近づく。

そして、そのまま、

自分の掌で、和泉の額を撫でた。



身長差があって、頭は届かない。

和泉の前髪がかかる額を、
そのまま無言で、撫で、


「辛いね……。」



自然に漏れでた言葉。
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