失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
あんなの……見たくない。



好きな人が自分以外を優しく触る。


そして、
自分以外に向けられる、優しい目。




思い出すだけで、
涙が目に溜まる……。




こいつがした事を、
許すつもりなんか無いのに……。



それでも、
この前言ってくれた、


届いたと言う言葉。



こいつの言葉は……


きっと、届けられないまま、

終わった、のかな……。



そのまま撫でていれば、
私の肩に和泉の頭が乗っかる。


始めて男の人が、
自分の肩に載せる体重と暖かさ。



それを感じながら、
私は、そのまま無意識に、


和泉の後頭部をポンポンと、叩いていた。
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