彼女は何を想い、何を望むのか

その途中、お母さんと目があう。

「おはよう」

「………っ」

私はお母さんに挨拶をすると向こうは気まずそうに顔をそらすだけ。

挨拶が帰ってこないことなんていつものことだから私は別に気にも留めない。


そのまま私は洗面所まで行き
嫌なことを洗い流すかのように何度も何度も
冷水で顔を洗う。

今の季節は冬。

刺すように冷たい冷水のおかげで大分眠気も飛んでスッキリした。

そのまま髪を軽く整え自分の部屋に行く。


「何度見てもひどい顔ね」


そう独り言をこぼしながら私はカラコンをつけた。


そして軽いメイクを施す。


あまり眠れないために此処最近消えない隈をファンデーションとコンシーラーで隠す。


栄養不足かわからないけれど血色の悪い唇を薄めのピンクリップをつける。


「今の時間は……

あぁ、もう行かないと」


時間を確認するため携帯を見ると
家をでなくちゃいけない時間になっていた。


学校に持っていく鞄を持ちゆっくりと家を出る。

「………行ってきます。」

そう言っても


“いってらっしゃい”


と言ってもらえることはない。

でも、心の何処かで私は期待しているのかも。


いつか
私の言葉に返ってくる言葉を望んでーー。


< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop