ドSセンパイと純粋女
第一章
 第一節 むかつく出会い

私は優奈。なんの変哲もない普通の女性。普通に大学を出て、中小企業に就職。
そんな私の、言えば必ず驚かれてしまう事。それは、この22年間一切恋愛経験なし!!
そんな驚くことなの?って聞き返したくなるけど、周りからしたら珍しいんだろうね。けど、そんな私がまさかこれからあんなことになるなんて。。。
 「やばいーーーー!電車に乗り遅れる!」
 勢い良くドアを開けて、最寄りの駅へ走って向かう。入社式当日に寝坊なんて、私のバカ!!!!!!!
 全力で走ったお陰で何とか入社式には間に合った……。と、その時気づいた。
(ん?あれ??……あー!急いで出てきたから靴スニーカーだ!んもう。本当に私ってドジ)
 なんて、顔を赤らめながら入社式を終えて、配属部署で先輩方へ挨拶。
 周りの同期たちはきちんと全身整ってるのに私だけ足元がおかしい。優奈は、さっきよりもっと顔を赤らめた。
 そして、優奈の挨拶の番が来てしまった。一歩前に出て、恥ずかしさなんか何ともない!とでも言うように大きな声で挨拶した。
 「おはようございます!本日から、人事部に配属になりました葛城 優奈と申します!精一杯がんばりますのでよろしくお願い致します!」
 と、見事言い終わったその時。後ろの方から笑い声が聞こえた。
 「ははは。元気は声だけじゃねえってか」
 え?誰?と思いながらも、その日はそれで終了。その正体は追々分かることになる。
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