ドSセンパイと純粋女
第二節 分かっちゃった。

翌日、会社に出勤すると研修期間中誰がパートナーとして指導していくかという張り紙がボードに貼りだされていた。
(へぇ~そんなのあるんだ。私誰なんだろ。)
と、自分の名前を見つけ横に書かれている名前を見た。木崎 涼という名前が書かれていた。
「男の人がパートナーか。大丈夫かな。」
と小さな声で呟くとすぐ後ろから低い声が聞こえた。
「僕のことですか?」
振り向くと、いかにも典型的サラリーマンの黒縁メガネを掛けた男性が立っていた。
「もしかして、木崎さんですか?」
すると、男性はにこっと微笑んで
「葛城さんだよね?そうだよ、木崎 涼です。これからの研修期間中よろしく。」
というと同時に手を出してきたので戸惑いながらも握手を交わし、一緒に仕事をし始めた。
 この木崎という男性、とても評判がいい社員らしく教え方も上手で後輩から慕われることも多いそうだ。お陰で私も順調に仕事を覚えていった。
 仕事に慣れ始めたある日の夕方。私と木崎先輩が二人で残業をすることに。
(ふぇー、いくら先輩とはいえ男の人と二人っきりは異様に緊張しちゃうな)
って考えていた時。木崎先輩が急に
「葛城さんって、ドジなの?」
と唐突に聞いてきたのだ。
「え!?ど、どうしたんですか?急に」
焦りながら聞き返すと。
「だって、入社式の日スニーカーで来たからさー。俺、堪えきれずに笑っちゃったよ」
え、、?って事は。。
「あの時、笑ったのって木崎先輩だったんですか!?」
まさか、この典型的サラリーマンのような木崎先輩が?ギャップがありすぎて、考えがついていかなかった。
すると、木崎先輩はネクタイを緩めながら
「あんなおかしいのに笑わずにいれるかってーの(笑)ってかさ、もう一つ。
さっきから緊張してるみたいだけど、もしかして男性と恋愛とかの経験もないの?(笑)」
まるで私の心や頭の中を見透かすように、見事に言い当てられた。
「そうですけど。。。。何か悪いんですか?」と、不機嫌気味に返すと。
ニヤッと笑いながら眼鏡を外し私を凝視した。
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