スパイシーショコラ
あまりの迫力に押され、帰り道、だれもが無言だったのは言うまでもない。





の、わりに、今日のこの有様。





見事、アキラは彼女たちの洗脳に成功したようだ。











さて、彼女たちが持ち寄った、カカオ70%以上含有のチョコレート。




フランス輸入のチョコレートから日本のお菓子メーカーチョコレート。



なかでも皆が注目したのは、スウィーツ・オタクの夕子が持ってきた、アンリ・ルルーの板チョコレートだ。





あの「塩キャラメル」で一躍有名になった、アンリ・ルルー。




チョコレートにもやはり、あの良質な自然海塩が練りこまれている。



カカオのビターな味わいに、甘さを引き立てるまろやかな天然塩の塩味が、なんともいえない絶妙なテイストを生み出している。おもわず後を引く美味しさだ。





これは一同一致で、本日のナンバーワン・スウィーツに輝いた。







「板チョコも、深いわね。」




トレードマークのメガネを押し上げながら、百瀬さんがつぶやいた。





「こうなったら、アキラくんのお店の板チョコも食べたいところだけれど・・・・。

正直、またあのウンチク語りの応戦にあうかと思うと・・・・。チョット、ね。」





好美よ、キミは、はじめ、あんなに乗り気だったはずじゃあないか。




みんなの視線が、一気に花江に集まった。





「ええーい!わかったっ。わかりましたよ。私が行けばいいんでしょ、私が!」







と、いうわけで、いつもどおり、また一人でアキラの屋台へと向かった花江なのだった・・・・・。






・・・・・・・・つづく。

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