距離0センチ
あまりにも花火が綺麗で、まじまじと見る。
立花君が教えてくれたこの場所は、花火が良く見えて本当に穴場だと思った。
連れてきてくれたお礼を言いたくて、横にいる立花君を見ようとした。
けど、立花君がすでに私の方を見ていて驚いた。
「な、なに?」
「紫乃先輩を見てました」
「見ないでよ…」
声が小さくなる。
にこっとされて、私は目をそらした。
「~~~……」
「え?何か言った?」
花火の音で立花君の声が聞き取れず、聞き返した。