距離0センチ
「紫乃先輩に喜んでもらえてよかったです」
「うん。連れてきてくれてありがとう!」
立花君は嬉しそうに笑った。
「よくこんないい場所知ってたね」
「中学のときに部活の仲間と来たことがあったんですけど、久しぶりに来ました」
花火と立花君を交互に見ながら話をする。
立花君は私の目を必ず見て話す。
「そうなんだね。中学も陸上部だったの?」
「……」
「…立花君?」
「あっ、はい!中学でも陸上でした」
今の間は何だろう?
気になったけど、特に聞くこともせず話を続けた。