距離0センチ
「じゃあ行きましょうか」
そう言って私の手をひいて歩き出す。
「あっ……」
「どうかしました?」
「えっ、あ、何でもない!行こっか」
立花君は不思議そうな顔をしたが、すぐに笑顔になって先を歩く。
私ってば、何をしたいの…何を考えてるの…。
今、思わず立花君に握られた手を引き戻そうとした。
歩き出す立花君を止めようとした。
そんな自分に気がついて、それが立花君にバレそうになって動揺した。
なんか、自分が何しだすかわからなくてこわい。