距離0センチ



「すみません、もうすぐ夏休みで紫乃先輩に会えなくなると思ったら、つい……」




ショボンとした様子で、モゴモゴと話した。



尻尾も耳も垂れ下がった犬にしか見えない。




「一ヶ月くらい、すぐだよ」


「でも、毎日だって会いたいんです」




そんなことを言われても……。


無理なものは無理だし。




どうにかして、と由結に視線を送る。



由結は苦笑いで口を開いた。




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