オオカミ専務との秘めごと
確かに、今度の会議の準備とお茶の係は竹下さんと私だ。
彼女は声を荒げて言うけれど、今日会議があるなど聞いていないし、入り口近くにあるスケジュールボードにも会議マークはない。
それに、竹下さんの言っている主任課長会議は確か・・・。
「何を言ってるんだ。会議は今日じゃないぞ?」
「はーっ?そっちこそ、何を言ってるのー?」
突然二人の間に割って入った声に彼女はすかさず反論するけれど、その声の主を見てビクッと体を揺らした。
楢崎さんだ。
厳しい目をしていて、少し怒っている。
「会議は専務の都合で延期すると通知しただろう」
そうだ。今回の主任課長会議には専務も出席されると聞いている。
議題は、ゲルハルト氏のソーセージ販売についてだろうと、私なりに見当をつけていた。
けれど延期するとの通知が先週にあって、まだ日付は未定となっている。
それを竹下さんは見ていなかったんだろうか?
「えー、そうなんですかー?見てないですー」
竹下さんは釣り上げていた眉を下げ、尖っていた声は甘くし、それでも不満そうにして楢崎さんを見上げている。
「ちゃんと分かるように通知してください。おかげで恥をかきましたー」