あの春、君と出逢ったこと
これが女の子がよく言う、彼とデートの時の服が決まらないってやつだよね?
……私の場合は、彼じゃないけど。
引っ張り出した服を広げながら、溜息をつく。
この際だから、翠に相談しよう。
ベッドに放り投げた携帯を見ると、煌君からの受信があるのに気づいて、メールを開く。
___________
夕方に決まってるだろ
___________
それだけ来ているのを見て、心の中で悪態をつきながら翠に電話をかける。
別に、夕方の方が可能性は高いと思ってたけど。
煌君がちゃんと言わないのが悪いじゃん。
翠にかけながらも、煌君への文句をぐちぐちと言っていると、電話越しに翠の声が聞こえてくる。
『翠?』
『そうよ。
こんな夜中に、どうしたのよ』
明らかに眠そうな翠に、慌てて時計を見ると、既に夜中の2時を回っていたことに気づく。
『どうでもいい事だったら、怒るわよ』
電話越しでもわかるくらい不機嫌な声でそう言った翠から、本気である事がビシバシと伝わってくる。
多分、大丈夫……だよね?
怒られる事を覚悟して、恐る恐る翠にさっきあった事と、用件を説明する。