あの春、君と出逢ったこと



簡潔に伝えすぎだよ。




……じゃなくて。
私! ちょっと落ち着け。




煌君へのツッコミのせいでいっぱいになった頭の中を整理するために、深呼吸をする。




『取り敢えず、今が1時だから……』



壁に掛けてある時計を見て、ハッとする。



待って。煌君、6時ってだけ書いてあったよね?

今、1時だよね?





今日、今からの中で、6時が二回来てしまう。

多分、朝の六時はないと思うけど……。




けど、初詣だし、もし煌君が朝の6時に来てたら12時間も待たせる事になっちゃう。


それだけは勘弁だよ。


こんなに待たせたら、絶対に怒られる。



『……メール、送ってみようかな』


もしかしたら、もう寝てるかもだけど、念の為に、ね?




煌君から来たメールから、返信ボタンを押して下書き画面を開く。



……何て打てば良いの?



6時って、朝か夕方どっち? みたいな?

それじゃあ、煌君にツッコんでたくせに、私も同じようなものじゃん。





打って、消して、打って、消してを繰り返して、画面とにらみ合いを続ける。





まさか、メール1つでここまで悩むなんて思ってもなかった。



翠とのメールは一瞬で思い浮かぶのに、相手が違うだけでここまで変わるなんて……。



もう、この際、適当で良いかな⁇




そう思いながら、適当に画面に文字を打っていく。


『よし、完了っ!』




打ち終わったと同時に、ベッドに携帯を放り投げて、自分もベッドに倒れる。





明日、何着て行こう⁇


着物とか着たいけど、持ってないからなぁ……。



自分のクローゼットの中身を想像しながら、適当に服を決めていく……なんてできるわけが無く。



『何を着ればいいの……⁉︎』



あれから1時間経過した今でさえ、クローゼットの目の前で洋服を片っ端から引っ張り出しても、一向に決まらない。




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