あの春、君と出逢ったこと



脈を図るなんて事を考えることができず、慌てて救急車を呼び、栞莉を揺すりながら呼び続ける。


『……栞莉ッ!!!』


大きな音を立てて、勢いよく入ってきた翠と快斗が、顔面蒼白で栞莉に駆け寄る。


『嫌よ……嫌よ、栞莉‼︎
死ぬなんて、私は許さないわよ!』


栞莉をゆすり、そう叫びながら涙を流す翠に、嫌な予感を感じる。



『快斗』


『……何だ』


いつも以上に、変に落ち着いている快斗を見て、不安が募っていく。



『お前、何か知ってるのか⁇

なんで、何で栞莉は倒れてる⁉︎』





極度の不安に我を忘れ、快斗の肩に掴みかかる。


掴みかかる俺の手を払いもせず、快斗は俺から視線をそらす様に、目を伏せる。


『……栞莉チャンは、病気、だったんだよ』

そうして。

悔しそうな、諦めたような声色で、快斗がそう言った。




栞莉が、病気。

俺の、想像していた。
そんな、嫌な予感が当たった瞬間で。




『何の病気だよ……⁇』

それでも、うまく状況を飲み込めないまま、そう呟く。



『それは俺も知らない。


けど、10年から20年かけて、ゆっくりと体が蝕まれていく難病らしい』



どこかで聞いた症状に、快斗の言葉を聞き逃さないように息を飲む。



『……煌、も、見てるのよ、症状』




言葉を続けるに連れ崩れ落ちていく翠の。
悔しさと、後悔とが混ざった台詞が、俺の頭の中をグルグルと回る。




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