孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「結愛ちゃん?」

気がつくとそこには佳穂がいて、心配そうに私の顔を覗いていた。

きっと凄く酷い顔をしていたんだろう。



「結愛ちゃん、拓くんたちの補習がまだ長引きそうなんだって」

「…じゃあ先に帰る?」


考えるより先に出た言葉は、瞬時に湊と顔を合わせなくて済むという逃げから。


「え、でも、待ってた方が…」

「帰るぐらい、ふたりでも大丈夫でしょ」

「…そ、そうだね!」


戸惑いつつも了解してくれた佳穂に、ホッとした。

もし、今湊に、三人組に会ったら、"通常運転"でいられる自信はない。

何を言い出すかわからない自分が怖い。




───私、かなり重症かもしれない。



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