孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「足、良くなったみたいだな」

「…え。ああ、はい。ご心配おかけしました」

「いや、大丈夫ならいい」


かと思えば、他人のことをしっかり見ている。

どこまでも不思議な人だ。


「あの、今日は何の用ですか?どこに行くんですか?私、これから図書館行こうと思ってたんですけど」

「……、」

無視、ですか。


そしてそれからは無言のまま歩き続け、連れられて来たのは、あの溜まり場だった。


「…帰っていいですか?」

「ダメ」

さっきまで私の顔なんて見なかったくせに、こういう時だけ目を合わせられると反論なんて出てこなくなってしまう。

此処には二度と来ないはずだったんだけどなあ。

成宮 隼人とはもう会いたくないし。

別に、彼の態度に腹が立ったから会いたくないわけじゃなくて…。確かにそれもあるけど。

なんと言っても本音を出してしまった今、彼を始め三人に会うのが気まずいのだ。


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