冷たいなら
やだ...。
こんな弱い自分を他の人に晒したくなくて、弘也の顔を見ないでそのまま教室を出た。
まだあたしのクラスには残っている人はいる。
泣きそうな顔で必死に平静を装いながら手に取ると、急いで教室を後にする。
普通に閉めたつもりのドアは、大きな音を立ててしまってしまう。
きっと今いたクラスメイトはあたしに対して疑問を抱いただろう。
だけど今のあたしにはそんなこと、気にならない。
彼女に向かって、何様のつもり、はないでしょ。