冷たいなら
何でこんな目に遭わないといけないの。
そう思うとジワジワと涙が出てくる。
するとあたしの涙を察知したのか、弘也があたしの元に駆けつけてくれた。
「何で助け呼ばねぇんだよ」
あたしの衣類を卓上に優しく置くと、両肩を揺すられながら問われる。
この言葉であたしの心が砕けた気がした。
「……」
あたしは静かに泣いているだけで、彼の問に答えない。
「どうして俺の名前を叫んで助けを呼ばなかったんだよ!!」