届かないこの想いを、胸に秘めて。
先生が入ってくると全員いるか、確認を取り始めた。
「なんだ担任じゃん」
ボソッ小さく呟いた鴇田くんに私は頷いた。
……てことは、結構ラクなのかな?
安易な考えを浮かべていると
「そこ2人ー、担任だからって気ぃ抜くなよ〜」
と名簿に目をやりながらVサインを私達に向けて言った。
「は〜い」
「っはい」
気の緩んだ声と緊張した声が重なった。
先生……、そんな注目を浴びさせるようなこと言わないでよー。
あがり症な私はだんだんと顔が熱くなるのを感じた。