届かないこの想いを、胸に秘めて。





「多分もうすぐ来ると思うんだけど、これ淳介に渡しといてもらえる?」

私は軽いパニックを起こしながらも、縦に首を振った。



「ごめんね、よろしくー」

2人はそう言って改札の向こうへ消えて行った。





……。
…………。


完全にショートしてしまったみたい。


私、いまどんな顔してるんだろ。

和海ちゃんや香奈恵ちゃんがそばにいたら、指摘してくれるけど。

2人がいないから分からない。



あ、鏡!


私はスクバから鏡を取り出して見た。



「っ!!」


うわ、これは絶対にからかわれる顔だっ。

特に香奈恵ちゃんから。


顔がとても赤く染まっていた。
頬に手を当てると蒸気が出てきそうなくらいに熱かった。






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