届かないこの想いを、胸に秘めて。




帰り道、長い距離をただ、ただ、コンクリートを見つめながら歩いた。


頭の中はゴチャゴチャで。
心もゴチャゴチャで。


苦しかった。




私の恋ってほんと儚いものなんだなって改めて実感した。




あの後、2人はどうなったのかな。

……ふたりは付き合うの?




香奈恵ちゃんはモテるけど、恋色は一つも醸し出していないし、話すらしたことない。

強いていえば、音ゲーに出てくる男の子たちの話で頬を染めてるくらい。




……ねえ、本当は恋してるの?



キミは……香奈恵ちゃんのことが好きだったの?



……っ。

そう思ったら涙が滲んだ。それを強く拭う。




雨が、私だけに降ればいいのに……。




そう濃くなった雲に願った。





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